歯のクリーニングとは｜メリットや歯医者に通う頻度・料金を解説

歯のクリーニングを受けたことはありますか？歯のクリーニングとは、歯垢や歯石を取り除くことです。虫歯や歯周病の原因となる歯垢や歯石を除去し、口臭や虫歯、歯周病のリスクを低減できます。

しかし、実際にどのような内容でなぜ必要なのかはあまり知られていません。

本記事では、歯のクリーニングとは何か、メリットは何か、歯医者でのクリーニングの内容はどのようなものか、などについて紹介します。

また、虫歯や歯周病の予防につながることや、定期的な歯のクリーニングが健康な口腔内を維持するために必要不可欠であることについても触れているため、ぜひ最後までご一読ください。

1.歯のクリーニングとは

歯のクリーニングとは、歯垢や歯石を取り除くことです。歯垢は食べかすや唾液、細菌などが混ざり合ってできるやわらかい汚れで、歯石は歯垢が固まってできた硬い汚れのことを指します。

歯科医師や歯科衛生士が歯のクリーニングを行う理由は、歯垢や歯石が歯肉炎や歯周病の原因になるためです。また、歯石はブラッシングやフロスで取り除けないため、専門的な処置が必要です。

例えば、歯のクリーニングをせず、長年放置した場合、歯周病が進行し歯を失うことになることがあります。歯を失うことで咀嚼機能が低下し、健康に悪影響を与えることもあります。

定期的な歯のクリーニングは、歯垢や歯石を取り除くことで口臭や虫歯、歯周病のリスクを低減できますから、健康な歯を維持するために必要不可欠です

1-1.クリーニングとホワイトニングの違い

歯のクリーニングとホワイトニングには、大きな違いがあります。

クリーニングは、歯の表面の汚れを取り除くことで、虫歯や歯周病の予防につながります。一方、ホワイトニングは、歯そのものの色を白くすることが目的です。

項目	クリーニング	ホワイトニング
目的	歯の表面の汚れを取り除くことで、虫歯や歯周病の予防につながる	歯の色を白くすることが目的
治療内容	ブラッシングなどのホームケアだけでは落としきれない歯垢や歯石、着色を除去する	専用の薬剤を使用し、歯そのものの色を白くする
治療方法	歯科医師、歯科衛生士が行うプロフェッショナルな治療	歯科医師、歯科衛生士が行うプロフェッショナルな処置またはマウスピースとジェルを用いてご自宅で行う方法
効果	口臭や歯の黄ばみなども改善される	歯の色が白くなる
注意点	虫歯や歯周病などの病気が進行しないように、適切な頻度で行うこと	適切な使い方をしないと歯にダメージを与えることがある

例えば、クリーニングでは、歯垢や歯石が原因で起こる口臭や歯周病を予防できます。ホワイトニングでは、歯の色を白くすることで、美しい笑顔を手に入れられます。

クリーニングとホワイトニングはそれぞれの目的が異なるため、歯科医院でどちらの方法がご自身に適しているかを確認してもらいましょう。

2.歯医者でのクリーニングをおすすめするメリット

歯医者でのクリーニングをおすすめするメリットは、以下のとおりです。

2-1.虫歯・歯周病を予防できる

歯のクリーニングは、虫歯や歯周病を予防するために非常に重要な役割を果たします。

歯垢や歯石がたまると、歯肉炎や歯周病の原因になりますから、専用の器具を使って歯垢や歯石を取り除いて歯の表面を滑らかにし、汚れが溜まりにくい状態にしておくことが重要です。

また、歯周ポケットの深さを測定し、歯周病が進行していないかどうかも定期的にチェックしてもらいましょう。

歯垢や歯石を取り除くと、その下に虫歯が隠れていることもあります。

歯のクリーニングは、虫歯や歯周病を予防するために非常に効果的です。定期的に歯科医院で歯のクリーニングを受けることで、口腔内の健康を維持できます。

2-2.口臭の改善・予防ができる

口臭の改善・予防にも、歯のクリーニングが効果的です。

歯科医師、歯科衛生士によるクリーニングは、歯垢や歯石を取り除くことで、口臭の原因となる細菌の繁殖を防止します。また、歯周病や虫歯、口内炎などの口のトラブルを早期に発見し、適切な処置を行うことが口臭の予防にもつながるでしょう。

口臭にお悩みの方は、歯科医院で相談してみることをおすすめします。

2-3.本来の歯の色を取り戻せる

歯のクリーニングには、表面についた歯垢や着色汚れを取り除くことで歯の黄ばみやくすみを改善でき、本来の歯の色を取り戻すメリットもあります。

例えば、歯の表面についたコーヒーやタバコの着色汚れは、歯ブラシや歯磨き粉では綺麗に取り除けません。しかし、歯科医師、歯科衛生士によるクリーニングでは、専用の器具を使って着色汚れを取り除けます。

これにより、歯の本来の白さを取り戻せるわけです。

3.歯医者で受けるクリーニングの内容

歯医者で受けるクリーニングの具体的な内容は、以下が挙げられます。

3-1.歯周病・虫歯・嚙み合わせなどの検査

歯周病・虫歯・嚙み合わせなどの検査を行い、その結果に基づいて適切なクリーニングを行います。クリーニングの目的は、歯肉炎や歯周病の原因となる歯垢や歯石を除去することです。

また、虫歯の予防や口臭の改善にもつながります。通常、クリーニングを行う前に歯周病や虫歯の程度、嚙み合わせのバランスなどを検査し、適切なクリーニング方法を選択します。

クリーニング方法	特徴
超音波スケーラーを用いたクリーニング	高周波振動によって歯垢や歯石を除去するため、歯肉への負担が少なく痛みも少ないことが多いです
エアフロークリーニング	水と粉末を高圧で噴射することで歯垢や着色汚れを除去する方法で、歯面摩耗が少なく、歯の表面を傷つけることがない

歯科医師、歯科衛生士は患者さんの状態に合わせた適切なクリーニング方法を選択し、口腔内の健康を維持するためのサポートを行っています。

3-2.ブラッシング指導

ブラッシング指導は、歯科医師、歯科衛生士による歯のクリーニングの中でも非常に重要な役割を担っています。その理由は、正しいブラッシング方法を覚えることで患者さん自身が日常的に歯垢を除去し、口腔内の健康を維持できるからです。

具体的には、歯ブラシの種類や選び方、ブラッシングの順序や角度、歯磨き粉の使い方などを指導します。また、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスなどの補助的な道具の使い方についてもアドバイスを行います。

正しいブラッシング方法を身につけることで、歯垢や歯石を効率的に除去できることで、虫歯や歯周病の予防につながるでしょう。

3-3.スケーリング（プラーク・歯石除去）

スケーリング（プラーク・歯石除去）は、歯科医師、歯科衛生士による歯のクリーニングの一つで、歯周病の予防や治療に効果的です。

このプロセスでは、特殊な器具を使用して歯の表面からプラークや歯石を取り除きます。これらの物質は、口内環境のバランスを崩して炎症や歯周病の原因となるため、定期的なスケーリングは重要です。

スケーリングの過程で、歯科医師、歯科衛生士は歯の表面を滑らかにし、再発防止につながる歯石の付着を防ぎます。

3-4.着色除去

歯のクリーニングにおける重要な作業の一つに「着色除去」があります。この作業は、歯の表面についた色素を除去することで、歯の白さを取り戻すために行われます。

着色除去を行う理由は、歯の表面に付着した色素が、歯の黄ばみや汚れを引き起こすからです。この色素は、コーヒーや紅茶、タバコなどの摂取や、歯磨き不足などが原因となって付着します。

例えばコーヒーなどの色素が付着している場合、歯科医師、歯科衛生士は専用のハンドピースを使用して、歯の表面をこすり取ります。この作業によって、歯の表面が滑らかになり色素が付着しにくくなるため、歯の白さを保つためにも有効です。

着色除去は、歯の美しさを取り戻すために欠かせない作業ですし、適切な処置を受けることで歯の美しさを維持できるでしょう。

3-5.ブラッシング

歯垢や歯石を取り除くブラッシングも必要に応じて実施します。歯垢や歯石は、口腔内に悪影響を及ぼす細菌の繁殖を促進するため、定期的なブラッシングが必要です。

例えば、奥歯の裏側や歯と歯の間、インプラント周辺などは通常のブラッシングでは届きにくい箇所です。そこで、歯科医師、歯科衛生士による専門的なクリーニングが必要となります。

ブラッシングは、正しい方法で行うことが口腔内の健康維持につながります。歯科医師、歯科衛生士による専門的なクリーニングとあわせて、毎日の適切なブラッシングを心がけましょう。

3-6.フッ素塗布

フッ素塗布によって歯の表面が硬くなり、虫歯や歯周病の発生を防げます。定期的に高濃度のフッ素塗布をすることによって、汚れもつきにくくなります。

例えば、子どもたちには、フッ素塗布が特に効果的です。萌出したての歯は、まだ栄養が十分ではないため、柔らかい歯質にできた虫歯は、進行が速いと言われています。

定期的な高濃度フッ素の塗布、歯磨き粉などの低濃度フッ素の使用で、虫歯に負けない丈夫な歯を育てましょう。

4.ケース別｜歯のクリーニングの頻度

ケース別に歯のクリーニングに必要な頻度の例をまとめると、以下のとおりです。

項目	頻度
一般的なクリーニング	3～6ヶ月に1度
歯石がつきやすい・着色が気になる人	2～3ヶ月に1度
歯並びが悪い人	1～2ヶ月に1度
歯周病がある人・虫歯ができやすい人	1～2ヶ月に1度
タバコを吸う人	1～2ヶ月に1度

歯のクリーニングは、個人差や生活習慣、環境によって異なりますが、定期的なクリーニングが健康な口内環境を保つためには必要不可欠です。ここからは、それぞれについて詳しく解説します。

4-1.一般的には3～6ヶ月に1度

歯のクリーニングにおいて、一般的には3〜6ヶ月に1度の頻度が推奨されています。この頻度は、歯垢や歯石がたまりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高い場合には3ヶ月に1度、そうでない場合には6ヶ月に1度が適切とされています。

歯科医師がこの頻度を勧める理由は、歯垢や歯石が歯の表面に付着し、そのまま放置すると虫歯や歯周病の原因になるからです。また、歯の表面の汚れがたまりやすい人や、歯周病の既往歴がある人は、より頻繁なクリーニングが必要となります。

例えば、歯の表面に歯垢がたまりやすい人は、食事の後に歯を磨くことや、歯間ブラシを使用することで予防できます。しかし、歯垢や歯石がすでに歯の表面に付着してしまい、硬くなってご自身で落とせない場合には、歯科医師、歯科衛生士によるクリーニングが必要となります。

歯垢や歯石がたまりやすい人や、歯周病の既往歴がある人は、より頻繁なクリーニングが必要となるため、歯科医師、歯科衛生士のアドバイスに従うことが大切です。

4-2.歯石がつきやすい・着色が気になる人は2～3ヶ月に1度

歯石がつきやすい・着色が気になる人は、2〜3ヶ月に1度の歯のクリーニングが推奨されます。これは、歯垢や歯石を定期的に除去することで、口腔内の健康を維持するためです。

歯石は、歯ブラシやフロスでは取り除けないため、プロの手によるクリーニングが必要です。また、着色が気になる人は、コーヒーや紅茶などの飲み物やタバコなどによって歯が黄ばんでしまうことがあります。

このような場合も、定期的なクリーニングによって歯の表面の汚れを取り除けます。

4-3.歯並びがよくない人は1～2ヶ月に1度

歯並びが悪い人は、1〜2ヶ月に1度のクリーニングが必要です。歯並びが悪い場合、歯ブラシで届かない箇所に歯垢がたまって歯周病や虫歯の原因になるからです。

また、歯並びが悪いと歯間の隙間が狭くなり、歯石が溜まりやすくなります。歯石は、歯垢が固まったもので歯ブラシでは除去できないため、定期的なクリーニングが必要です。

例えば、歯並びが悪く歯磨きが苦手な患者さんがいた場合、歯科医院でのクリーニングを1ヶ月に1度行うことで、歯周病や虫歯のリスクを軽減できます。

4-4.歯周病がある人・虫歯ができやすい人は1～2ヶ月に1度

歯周病がある人や虫歯ができやすい人は、歯のクリーニングを1〜2ヶ月に1度行うことが望ましいです。これは、歯周病や虫歯の原因となる歯垢や歯石を定期的に除去することで、口腔内の清潔を保つことができるからです。

クリーニングは、歯ブラシや歯間ブラシ、フロスなどで行う自己管理とは違い、虫歯や歯周病の予防にはより効果的です。

歯周病や虫歯がある人は、1〜2ヶ月に1度の歯のクリーニングを受けることで、口腔内の清潔を保ち、病気が進行しないようにコントロールすることが大切です。

4-5.タバコを吸う人は1～2ヶ月に1度

タバコを吸う人は、1〜2ヶ月に1度のクリーニングが適切です。なぜなら、タバコの煙によって歯に付着する歯垢や歯石が、非喫煙者よりも多くなるためです。また、歯周病や口臭のリスクも高くなるため、定期的なクリーニングが必要です。

一方で、非喫煙者は3〜6ヶ月に1度のクリーニングが適切です。これは、歯垢や歯石が比較的少なく、歯周病や口臭のリスクが低いためです。ただし、個人差や口内環境によっては、より頻繁なクリーニングが必要な場合もあります。

5.歯医者のクリーニング料金

歯医者で受けるクリーニングの料金目安は、以下のとおりです。

項目	料金	内容
保険で歯をクリーニングする値段	約3000円程度	歯垢や歯石の除去
自費で歯をクリーニングする値段	約8800円程度	歯垢や歯石の除去、オプションサービス（歯の表面の磨き上げ、ホワイトニング、フッ素塗布など）

5-1.保険で歯をクリーニングする値段：3000円程度

歯のクリーニング料金は、保険適用の場合で約3000円程度です。この値段は、保険が適用されるため、一般的な歯科治療と比較しても比較的安価です。

ただし、保険適用外の場合、費用は高額になることがあります。歯のクリーニングは、虫歯や歯周病などの予防に非常に重要な役割を果たすため、定期的な受診がおすすめです。

また、歯科医師によっては、クリーニングの際に歯垢や歯石の除去だけでなく、歯の表面の磨き上げやホワイトニングなどのオプションサービスを提供している場合もあります。

5-2.自費で歯をクリーニングする値段：8800円程度

自費での歯のクリーニング料金は、一般的に8800円程度です。この金額は、歯科医院によって異なる場合がありますが、平均的な価格帯となっています。

この料金は、保険が適用されない自費診療のためのものであり、一般的には定期的な歯のクリーニングを受けるために支払われます。歯科医師によっては、歯のクリーニングに加えて、歯のホワイトニングやフッ素塗布などのオプションがあり、これらのサービスを追加することで料金が増加する場合もあるでしょう。

歯のクリーニングに関する自費料金については歯科医師と相談し、自身の予算に合わせて適切なプランを立てることが重要です。

6.歯のクリーニング後に注意するポイント

歯のクリーニング後に注意するポイントは、以下の2つです。

6-1.痛みを感じる場合がある

歯のクリーニング後には、痛みを感じる場合があります。クリーニングによって、歯の表面についた汚れや歯垢を取り除くために、歯科医師、歯科衛生士は歯の表面を削ることがあります。その際、歯の表面が削れることによって、歯の神経や歯肉に刺激が与えられ、痛みを感じることがあるためです。

例えば、歯の表面に歯垢が付着している場合、歯科医師、歯科衛生士はスケーラーと呼ばれる器具を使用して、歯垢を取り除きます。その際、歯の表面が削れることによって歯の神経に刺激が与えられ、痛みを感じることがあります。

歯のクリーニング後には、痛みを感じる場合があることを覚えておいてください。しかし、痛みが強い場合や痛みが長く続く場合には、歯科医師に相談することをおすすめします。通常、2、3日冷たいものがしみたり、歯が浮くような感じがあったりします。

6-2.直後は着色しやすい飲食物を避ける

歯のクリーニング後には、直後に着色しやすい飲食物を避けることが大切です。これは、歯の表面がクリーニングによって削られ、表面がデリケートになっているためです。

着色しやすい飲食物は、コーヒーや紅茶、赤ワインなどがあります。これらの飲食物は、歯の表面に付着した色素がしみ込んでしまい、歯が黄ばんだり、くすんだりする原因となります。

また、酸性の飲食物も避けることが大切です。酸性の飲食物は歯のエナメル質を溶かしてしまい、歯が傷ついたり、敏感になったりする原因となります。例えば、レモンやグレープフルーツなどがあります。

歯のクリーニング後は、着色しやすい飲食物を避けて過ごしましょう。

7.歯のクリーニングに関するQ&A

歯のクリーニングに関するQ&Aへまとめて回答します。

6-1.丁寧に歯磨きすれば歯のクリーニングは必要ない？

歯磨きを丁寧に行えば、歯のクリーニングは必要ありません。しかし、歯磨きだけでは歯垢を完璧に取り除くことは難しいため、状態によっては歯のクリーニングが必要になることがあります。

6-2.歯のクリーニングは痛い？

歯のクリーニングは、ほとんどの場合、痛みを感じることはありません。ただし、歯垢や歯石が多くたまっている場合、または歯肉炎などの症状がある場合、治療中に少し痛みを感じることがあります。

6-3.歯のクリーニングは自分でもできる？

歯のクリーニングとしては、歯磨きが自分でもできる方法です。しかし、歯磨きだけでは歯石までは取り除けません。歯石は、歯科医院にて専用の器具を使った除去がおすすめです。

6-4.歯のクリーニングだけを受けられる？

はい、歯のクリーニングだけを受けられます。歯のクリーニングは、歯周病や虫歯などの治療とは別に行えます。ただし、歯周病や虫歯などの治療が必要な場合は、それらの治療を行う必要はあるでしょう。

7.まとめ

歯のクリーニングは、健康な口内環境を保つために非常に重要な治療であることがわかりました。定期的なクリーニングによって、虫歯や歯周病のリスクを軽減できます。また、歯のクリーニングは、痛みを感じることがあるため、歯科医師、歯科衛生士とのコミュニケーションも必要です。

虫歯や歯周病のリスクを軽減するために、定期的な受診を心がけましょう。